ーー社長のつぶやきーー
病もあり6ケ月ほど、この−−社長のつぶやき−−から離れておりました。
43年も前の事、木造住宅のプレカット工場がなかったころ、大工が材木に墨を付け刻んでおりました。それが当たり前のように受け止めていました。全国一多いといわれていた材木店の社長と材木商が減る初期でありました。材木商・国・庶民はよい家のために割れのない材木や曲がらない材木を望んでまいりました。
その第一段階として材木の乾燥が取り入れられました。力の掛る梁には北米から乾燥のしてない材料が入ってくるようになりました、その後、消費者の智恵と国の政策により、どの材木にも乾燥を求められるようになりました。柱にボンドを利用した材木はより強く、安定性のあるコストも安価でした。43年前には¥4500/本だった無垢の柱が今も¥4500です。信じられない。吉野産が優遇され静岡産が一旦吉野に移動されその後、関東に持って来られたと話を聞いた記憶があります。今も昔もコストが変わらないことは私の思い違いでしょうか?材木の乾燥が流れを変えました。国策は国内の林業より外材の便利さを取ったのでしょうか。再度申しあげます。これが流れでした。国策は人の心を、先を読みます。そしてそのような方向が生まれます。
一方失ったものもあります。必然ではありますが技術・税金・林業です。一般の大工職人の“刻む力”は、輸入材の米材や集成柱等の材木のプレカットの技術向上と情報の速さ・広さ等の多様性に、取って代わるようになりました。工場製造は個人の技術を使わないので建築現場での技術の必要性が少なくなりました。より職人化です。
林野庁は現在、税金を使い、国産材を中心に補助金を出していますが、やはり補助金にまつわるものは大企業の方が金額も大きいし早いと知りました。昨年ウッドデッキ材を使い補助金の利用を考えましたが、一線を引いて考えないと町場の材木屋と、一般の大工には行きわたらない仕組みだと思います。税金の再分・使用の難しさを知りました。
玉子のコストが変わらないのも、無垢の材木のコストが変わらないのも“お金・国策・必要性”と考えています。それでもどこかで、かわら無ければと思います。
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