約50年の間、建築業界の大工を見てきて感じたことは、
この業界が大きく様変わりしているということです。
大工の数だけ1人社長がいましたが、今ではほとんどいません。
取って代わられたのです。
推移は地区の材木屋に、仕事帰りの大工が集まった時代から
大工を中心に請負制度が始まり職人を多く知り、修行という
しんどい期間のある大工が腕を振るうようになったのです。
材木店が請負業をしないで大工がする事になったことは
大きな分岐点です。材木店が座売りという大名商いに溺れているうちに
大工を超えた人は伸びる機会を得たのです。
営業職という大工技術とは別の分野で働ける人が出現したのです。
数年前に言われたのは提案力がほしいから大工より営業マンを
寄こしてください。というものでした。
大手建築メーカー・地域建築メーカー・地域の不動産屋
リフォーム屋の言う人たちの下に大工という腕を持っていた人が
営業のできる人に吸い込まれたのです。
建築産業・自動車産業・医療産業・電気産業などと
かつては業界も限られていたが、
職業もPC産業のように多岐にわたって出現してきた結果
人も分散している。国の施策では大工の地位が低いのです。
腕には匠の技を持ち要るが、営業力の不足を埋める政策は国は取らない。
現在営業マンは仕事を探して、そしてつくっています。
一方大工は口コミで仕事を待っています。
会社廻りはやるが新しい客を探す営業はできないのです。
営業で仕事を探したり作ったりする人が現れ、現場で作る人が仕事を
探したり作ったりしなくなったのです。必要なのは匠の技です。
私たち材木屋も窓口が集約され狭くなったと同時に力関係も変わり流れも
変わったのです。一人大工相手の商いは成り立ちません。
しかし同時に建築・リフォーム・不動産の勉強もさせていただいています。
そのため販売の幅が増えたのです。
やることをやれば生きる術はたくさんあると思います。
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